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2011年8月 3日 (水)

陸前高田に行ってきました2

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陸前高田市民体育館.
南三陸ロードレースりくぜんたかたのスタート/ゴール地点である市役所と同じ敷地にあります.
ここは地震のあと避難所として解放され、多くの人が身を寄せたそうですが、その後の津波ですべて流されてしまった.いちばん被害の大きかったところ、だそうです.

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献花台に私たちもお花を供えて

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お線香をあげさせていただきました.
心をこめて慰霊を祈りました.

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砂が上がり、中のものが流されたあとがそのまま残る体育館の中.
避難してきた方の衣服やタオルが天井からぶら下がっています.

消防署の前には潰れた消防車.図書館の前にはへしゃげた移動図書館バス.
撤去せずそのまま置いてあるのは、津波の傷跡をここに訪れる人に見せるためなのか.

皆、それぞれに、何かを感じ取ろうと、言葉も少なくつかず離れずでこの敷地の中をゆっくり歩き、そして、見ている.

ひとしきり経ってNOZさんが「コース走ってみようか.全部は無理だろうけど」
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ダンプが砂埃を巻き上げて走り回る市街地と峠を見送って、広田半島を走ってみることにした.しかし…半島の入り口には「一般車進入禁止」の看板が.それならば…とサポートカーは半島入り口脇に在った工事作業の方がたの駐車場らしき空きスペースに止めさせていただいて、自転車で.

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走り始めてすぐさま、こんなです.漁港があったのか、養殖ホタテの貝殻などがおおく見られました.
すっかり道の様子が変わってしまい、コースがどこを曲がればよかったのか「こっちか?いや、もう一つ先か?」

雨上がりだったせい…大きく深い水溜まりを突っ切って「こっちだ.合ってる」

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緩い上りの先には大きく欠けたアスファルトの路面.パイロンの代わりにお酒のケースが転がしてあります.路面には大きなクラック.覗き込むと…アスファルトの下はごっそり抉れてまったく何もない.危な…っ.

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この日はとても静かだった水面.
この水が牙を剥いたんだ.

小さなアップダウンを繰り返しながらコースを行くわたしたち.
少し上るだけで、沿道の民家の被害の様子が違う.ほぼ、何もなかったかのような佇まいの家.庭の草取りをしていたお姉さんに「こんにちは」と声をかけると笑顔を返してくれた.うれしい.

自転車の格好は目立つから、この人数(9名)で自転車でここを走っていて、見た人は一体どう思うだろうか…前夜、つっちーは「地元のチームはジャージで練習せずに、ふつうの格好でヘルメットも被らず、シューズだけビンディングシューズで練習してる」と言っていた.そんなわけで少し心配していた.

人影は少ない.けれど、民家に生活の息づかいはあるように感じたから、人が出て行ってしまったわけではないのだろう.

身体が覚えているコースを走る仲沢さんの背中が頼もしい.下りが得意と言うだけあって、体重を乗せて全速で下っていく姿は弾丸そのもの.ちょっとデカいけど.
そして、昨日聞いた『逃げて勝ったときの作戦シーン』を現場で再現.
「あのガードレールのところ、上ってるの見えるだろ、あそこでいかにも苦しそうに漕いで、後ろの奴らを油断させるんだ.ナカザワ、あの様子じゃすぐ捕まるだろうから無理して追うことないか、ってね.で、得意の下りで全開で逃げる」

すごい嬉しそう(笑

途中、広田半島をショートカットして戻る方向へルートを取った私たちでしたが…
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繋がっていたはずの道が、なくなりました.
ものすごく大きな砂利というか石が敷いてある上を無理矢理走りましたが、最終的には…

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シクロクロスよろしく担いで歩きました.これもまた、体験です.

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振り向いて…キャタピラのある辺りまでは何とか自転車乗ってきたけど、そこから先は歩きでした.
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「この先は民家の庭先を走ったりして、ベルギーのレースみたいで好きなんだ」
「そうそう、そうだね」

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巴さんとゆみちゃんは、揃って陸前高田のチャンピオン(?)ジャージです.

(実はこれをすっかり書き終わってから巴さんのblog読んで知ったんだけど…)

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決して広くはない道路幅.
この沿道に近所中の人が出てきて応援してくれたそう.それはもう息づかいまで伝わって、何が何でもタレるわけにはいかなかったことでしょうね.

「あそこがTTやった箱根山だよ」天辺にアンテナが立ってる山がそうなのかな?
箱根神社もあって、まるで神奈川県.いきなり親近感(笑

案の定かなり目立っている私たち.
わたしたち一行を見かけた人はほぼ必ず「ん?なんだ?」とこちらに視線を投げてくる.すかさず「こんにちは」と声をかけると…笑顔で返してくださる.そのまますれ違い、通り過ぎてしまうのだけれど、とても嬉しい.誰かひとりでも、あの頃のことを思い出してくださる方がいればいいな、そんな気持ちで声をかけさせていただいていました.

前からやってきた軽自動車のおじさんと目が合った.「こんにちは」そのまますれ違って行ってしまうところだけれど、おじさん、曲がってきた角の真ん中でブレーキ.
「どこからきたんだ?」
「東京と横浜です」

「わたしはチーム高田の者です」

おぉ!ということで
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そのまんま立ち話.なんとこの方、巴さんのブログにコメントを残してくことの在る方だとか.

この様子を見ていて、わたし、感極まる感じ.
あぁ、今回、こうして自転車の仲間と自転車で来て良かったな.この方に会えたことだけでみんなでこうして自転車でここに来た意味があったんじゃないかと.そんな風に思う.

私はみんなの思い出話でこの街と近しくなった.みんなのおかげでこの旅は意味を持った.
みんなの『見ておきたい』という思いに乗っかって来たけれど、それ以上のものがあったんじゃ、ないかな.

この先再び、この街でロードレースが開催されることがあるならば、是非応援に来たいと思います.

ご一緒していただいたみなさまに感謝.

おわり.

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コメント

すごいです。。。現地の様子をここまで詳細に知ることができるなんて思ってもいませんでした。
チームは違うけど思い出の地に行きたかった BARCA FOSSATOカントク☆878より

ちゅなどん、詳細なレポート、ありがとう。長年お世話になった陸前高田へ行き、犠牲者の方々に花を手向けたかったのだけど、1人で行く気にはなれませんでした。みんなで行くことができて、本当に良かったです。

「こんにちは!」と明るくあいさつしてくれる中学生や、「また必ずこの地で自転車レースをやりますよ」というチームたかたのみなさんの心意気を知ることができて、とても意義深いツーリングでした。津波で多くの方が亡くなったのはとても悲しいことだけど、陸前高田の底力を感じることができました。

tomoyuki878さま、お誘いすれば良かったですね。こんどいっしょにツーリングへ行きましょう!

自転車海苔って、いろんなとこで評判悪くしてるな。
仲間内なら皆好意的だろう。
遠くからの冷たい視線、感じなかったか?

tomoyuki878さん、はじめまして.こんばんは.

私は自転車に乗り始めてまだ2年で、知らないことの方が多いのですが、今回、この旅の記録をblogに残したとき、読んでくださった方々のレスポンスをいろいろ頂いて、陸前高田のロードレースがどれほど愛されていたのか、彼の地へ思いを馳せているサイクリストがどれほど多くいらっしゃるか、ということを知りました.

皆それぞれ、心の中に迷いを持ちながら赴きました.少なくとも、私は行って良かったと思っています.

そして、また行ける日が来るとも思っています.

Takashi NAKAZAWAさん

今回、NAKAZAWAさんやNOZさんの思い出話で私はこの地をとても近しく感じ、心を込めて走ることができたと思います.それはたぶん、みんな一緒だったんじゃないかと.

中学生、元気でしたね!あと、植木の手入れをしていたおじさん.あんな高いところから「ハーロー!」って(笑)
嬉しかったですねー.

通りすがりさん

はじめまして.苦言のコメントありがとうございます.
通りすがりさんは陸前高田にゆかりの在る方なのでしょうか.それとも現地で冷たい視線を投げかけておいででしたか.

道中、私がお声をかけさせていただいた方はそれこそ、偶然通りかかった私に突然「こんにちは!」と言われた現地の住民の方ばかりです.皆、笑顔で答えてくださり、その笑顔に安堵と励ましを頂戴したような気持ちでした.

私は目の前にいらっしゃる方との交流に心を尽くしていたので、遠方からの視線に気付くまでの配慮に欠けたかもしれません.

ただ自転車に乗る人がすべて、私と同じような心持ちでいるわけでもないということをお知りおきくださいね.
お気を悪くされたこと、お詫び申し上げます.ごめんなさい.

通りすがりさん
決して軽い気持ちで陸前高田へ行ったつもりではないのですが、気分を害したのであれば申し訳ありませんでした。

監督、こんにちは。
ブログ、興味深く拝見しました。自分の目で見るっていう事はすごく大事だと思います。行動力に敬服しますm(__)m
この季節、暑いので気を付けてライドして下さいませ。

naugosan
こんばんは!コメントありがとうございます.
きっとここに書いたようなことは、これまで何度も報道されてて、皆さんは知っていることだと思うんですがーーー

現地の方にお会いできて、お話を伺えた=脚色も演出もない、目の前にいる生身の人が体験されたことを知ることが出来た、そのことが、貴重な機会だったと思っています.

ようやく最近、身体が動くようになってきました.遅まきながらですが.
暑さで倒れそうになりながらも、ぼちぼち走ってます.また朝の134でなうごさん捕獲するかも(笑

はじめまして。
陸前高田広田半島の民宿志田(ロードレースの際の仲間たちの常宿)を応援しています。
私たちの仲間も昔、この「南三陸ロードレースりくぜんたかた」に出ていたので、なんとか自転車でつなげる輪というのができないかと私たちも模索しています。
10月初めに広田半島へ行って来た際に、私たちもレースコースを走って来ました。
今はアップルロード以外は大分快適に走れるようになっていますが、まだまだ時間はかかると思います。来春、陸前高田のレースを愛した人たちに声をかけて広田半島だけのプチサイクリングを兼ねて志田へ泊まりたいと思っています。

もちろん好意的に見てくださる方々だけではないと思います。「自転車なんか乗って見学かよ、気楽だな」と不快に思われる方もいるのは仕方ないし、申し訳ないとも思います。でも人が行き来しない町になってはいけないと思っています。
工事車両の邪魔にならないように、人に迷惑をかけないように、これからも自転車に乗って陸前高田を応援していきたいと思っています。(私は南三陸町歌津地区でMTBを使った子供達の通学も応援しているプロジェクトのお手伝いもしています)

*ロゼコローレの巴さんの写真もあるとはびっくりしました。当時は私たちも弱いながらもロードレース走っていましたので、ロゼコローレはよく知っています。よろしくお伝えください。

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